新編日語第三冊:第二十課 ながら族1

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本文
     近年來、ラジオを聞いたり、音楽を聞いたりしながらでなければ、仕事のできない人種が現(xiàn)れだした。このような人々を「ながら族」という。たとえば、私の弟は完全なながら族で、弟の部屋でラジオの音がするということは、弟が勉強しているということの最も確かな証拠である。私は、前に一度、弟にラジオを聞きながら勉強するのはやめるようにと注意したことがある。すると、弟の友達の中には、ラジオではジャズを聞き、テレビでは野球を見ながら宿題をする子さえいるのだという。
     ながら族になってしまった人の話によると、一度音楽を聞きながら勉強したりするのが癖になってしまうと、もう音楽を聞かずには、勉強も仕事もできないのだそうだ。私のように、そのような習(xí)慣のない者にとっては、そんな事はとてもできない。いずれにせよ、仕事や勉強の能率が上がればよいのであって、一概に、どちらが良いとも悪いとも言えないのかも知れない。
    會話
    (一)
    A すまないけど、うるさいから、ラジオのボリュームを小さくしてくれないか。
    B ラジオがうるさいって。
    A うん。
    B 僕はながら族なんだ。ラジオを聞いたり、音楽を聞いたりしながらでなければ、勉強ができないんだよ。
    A そうかい。実は、僕の弟もながら族になってしまって、困ってるところなんだ。
    B 困ることはないさ。仕事さえちゃんとすればいいんだから、一概にどっちがいいとも悪いともいえないだろう。
    (二)
    A このごろ音楽を聞きながら勉強するのが癖になっちゃってね。
    B じゃ、君のながら族になったんだよ。一度そんなことが癖になると、音楽を聞きながらでなければ、仕事をしたりすることができなくなってしまうんだ。
    A うん、そうなんだよ。この間、おやじに、ラジオを消して勉強するようにって注意されたから、ラジオを消してみたんだ。そうしたら、ぜんぜん勉強ができないんだよ。
    B そういうもんだそうだね。
    A 「そういうもんだそうだね」って、君はながら族じゃないの。
    B うん。僕のように、ながら族になってない者にとっては、音楽を聞きながら勉強することはとうていできないね。
    A そうかね。弟の話によると、友達の中には、驚いたことに、テレビもラジオもつけておいて、宿題をする子さえいるんだそうだよ。
    B まったくすごいやつが現(xiàn)れだしたもんだね。