日語中級:第32課 ツバメ

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本課課文
    (1)日本野鳥の會へ、今続々と「ツバメが巣に帰ってきました」と言う情報が寄せられている。
     誰でもが知ってる野鳥と言えば、すずめとガラスの次に來るのがこのツバメであろう。特にすずめとツバメは、人の住んでいないところにはいないと言うぐらい、人間とのかかわりが大きい鳥である。
     どうしてこのような習性を持つようになったのか、よく分かっていないのだが、巣の安全と関係があると言われている。普通の鳥は人間を外敵とみなして近寄らないようにしている。ところが、この二種は、人を巣を襲うイタチや蛇など外敵を防ぐものとして利用しているというのである。人家周辺は、確かに人以外は簡単に近づけないので、もな説である。
     しかし、この二種、人との付き合い方という點では、大きな違いがある。
     すずめは、人間をかなりの危険な動物とみなしているようで、エサ臺に初に來るくせに、人の働きにつねに気を配り、いち早く逃げる。巣ももちろん手の屆かない場所に作る。
     ツバメは人間を信頼しきっているようなところがある。手の屆く軒下に巣を掛けるし、場合によっては家の中に巣があることさえある。朝、戸を開けると活動を開始し、ツバメが戻った後戸締まりをする、こうなると家族の一員と言っても良い。
     ツバメは、またにぎやかな所を好む。家なら人が出入りをする玄関に、町の中全體を見回すと、商店街の表通りに面した所に巣があることが多い。人の目があるほど安全と言うことなのだろう。
     これほど人との結びつきの強いツバメでも、大都會となると話はちょっと違ってくる。コンクリート.ジャングルでは、巣を作ろうにも材料の土がない。どうにかベルや道路の工事現(xiàn)場で調(diào)達したとしても、補強材となる枯れ草が見つからない。やむを得ず、土だけで作った巣は、卵やヒナの重みに耐え切れないでよく落ちる。
     都會では、食べ物や水を探すのもたいへんである。ツバメはチョウやトンボなどの空中を飛んでいる蟲を食べるのだが、緑の乏しいところでは、育ち盛りのヒナに十分な量を集めることはできない。公園には、食べ物を求めてこんなツバメがたくさん集まってきている。
     人との結びつきのも強い鳥がすみにくいところは、人間にとってはどうなのか。あなたの町のツバメは、どんな生活をしているかに目を向けることから見えてくるかもしれない。食べているもの、食べ物を探している場所、水はどこで調(diào)達しているか。こんな所からツバメの目からあなたの町がどのように見えるか分かるであろう。
    (2)山田:もうすっかり春だね。おや、ツバメが飛んでる。
     佐藤:ほんと。もうツバメが帰ってくる季節(jié)なのね。
     山田:ツバメの姿を見ると、本當に「暖かくなったんたなあ」って感じるなあ。
     佐藤:そうね。そう言えば、私が子供のころは、家の軒下にツバメの巣があったわ。
     山田:へえ、そう。ツバメって、毎年同じ巣に戻ってくるんだろう。
     佐藤:そうなの。だから、まるで家族みたいに思ってたのよ。でも、近はツバメの巣を余り見かけないわね。やっぱり都會は住みにくいのかしら。
     山田:都會はどんどん緑が少なくなっているから、もっと緑の多い田舎の方へ、ツバメが引っ越していくものかもしれないね。
     佐藤:なんだか寂しいわ。都會にもって緑を増やして、いろいろな鳥や動物たちが住めるようになったらいいのに。
     山田:でも、都會にもまだまだ緑が殘っているよ。そうだ。佐藤さん、散歩のついでにバードウロチングをしてみようよ。