日語詞匯學習:母國、祖國、故國の使い分けについて

字號:

1.母國は、自分自身が基本的に生まれ育った期間が長い國で、
    自分のアイデンティティーが形成された國を、
    母國であるということが多いと思います。
    その國の國籍であるかどうかは、あまり関係ありません。
    例 アメリカ人と結婚した日本人が、アメリカ國籍を取得し、
    アメリカで生活している場合、その日本人にとっての母國は、日本です。
    2.祖國は、自分のルーツのある國。
    ここで生まれ育ったかは、問題ではないと思います。
    この場合は、國籍は、同一でないことが多いと思います。
    例 ブラジルの日系人の2世などにとり、日本は祖國であるかもしれませんが、
    母國ではないと思われます。祖國は日本で、
    母國はブラジルという形になると思います。
    3.故國は、自分が何國人であるかのアイデンティティーと
    國籍が一致している國をさすことが、多いと思います。
    故郷ということばのように、なつかしんでいるイメージが強いと思います。
    例 日本人の會社員が、外國で何年も滯在している場合に、故國を思うのです。
    また、母語と母國語は違います。
    母國語は、あくまでも自分の國籍のことばで、
    母語は、自分の第一言語。
    例 日本生まれの多くの在日に人にとって、母語は、日本語で、
    母國語は、(ほとんどしゃべれない)韓國語・朝鮮語であることが多いです。
    この場合、「母國語の母國」と「母國」は、少し意味が違うような気がします。
    広辭苑によると
    母國:①分れ出た國から、もとの國を言う稱。
    ②自分の生まれた國。祖國。
    祖國:①祖先以來住み來った國。自分の生まれた國。
    ②國民の分れ出たもとの國。本國。
    故國:①古くからある國。昔あった國。
    ②自分の生まれた國。母國。ふるさと。故郷。