標準日語中級:第19課 新聞の投書から

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本課課文
    (1)日本では、中學校や高校の多くが、制服を採用している。男の生徒は學生服、女の生徒はセーラー服、と言うのが一般的だ。しかし、近は、制服の無い學校もあるようだ。學校に制服が必要かどうかは、意見の分かれるとこだろう。ある新聞の投書欄で、制服が必要かどうかをめぐって、こんな意見のやり取りがあった。
    (2)先日、高校生の娘が、學校の制服について不満を漏らしていた。制服など無い方が、自由でいいというのである。話を聞いてみると、制服をやめようと言う意見が、生徒の間にあるらしい、しかし、制服廃止を唱える前に、制服の長所を見直してほしい、と言うのが私の考えである。まず、制服ほど、學生にとって便利な服裝はない。通學するときはもちろんだが、制服なら、どこへでも著ていける。普段著にもなるし、外出著にもなるのだから、これほど便利で、しかも経済的な服裝は無いだろう。逆に、もし制服がなくなったらどうだろうか。生徒たちは、どんな服を著て通學すればいいか、毎日悩むのではないだろうか。學校の中で、互いにおしゃれを競い合うことにもなりかねない。また、制服が生徒の心に與える影響も、無視できない。制服を著ていれば、自分がその學校の生徒だ、と言う自覚を持つようになる。自分の行動に対する責任感も生まれるだろうし、勉強しようと言う意欲も湧いてくるはずである。若い娘たちが、制服を嫌がる気持ちも分かる。しかし、いくら時代が変わっても、高校生には、制服が一番ふさわしいと思う。(a  高校生の父親   50歳)
    (3)先日の投書欄で、aさんの意見を読み、一言言わせていただきたいと思って、ペンを取りました。aさんは、制服が無くなったら、生徒たちがおしゃれを競いあるのではないかと心配しています。けれども、決してそんなことはありません。実際、私が卒業(yè)した高校には、征服がありませんでしたが、おしゃれの競爭などは、起こりませんでした。おしゃれをするにしても、流行を追って、派手な洋服を著るのではなく、自分の個性に合った、高校生らしい服裝を工夫していました。また、aさんは、制服は生徒の心に良い影響を與える、とおっしゃっていますが、本當にそうでしょうか。制服のある高校に通っていた私の友人の中には、制服によって、自分の立場を自覚させるような考え方に、反発を感じると言う人もいました。ですから、必ずしも、制服が生徒の心に良い影響ばかり與えるとはいえないでしょう。それに、服裝によって心が左右されるようでは、それこそ困るのではないでしょうか。服裝などに動かされない、主體性のある人間になることこそ、大切だと思います?,F(xiàn)代では、個性の豊かな人間になることが、望まれています。一人一人の個性が大切な時代であるにもかかわらず、何故、制服にこだわるのでしょうか。自分の個性に合った服裝を工夫することの方が、はるかに、大事だと思います