日語語法:「どうぞよろしく」と「どうぞよろしくお願いします」

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高校『日語』教科書第1冊第1課に次のような會話があります。
    (1)周明:はじめまして。どうぞよろしく。
    丁恵:こちらこそ。どうぞよろしく。
     (2)丁恵:はじめまして。どうぞよろしくお願いします。
    小川:こちらこそ。よろしくお願いします。
    上の二つの會話を中國語に翻訳したら同じ意味になりますが、どう違うのでしょうか。①の「どうぞよろしく」は「お願いします」を省略した形でしょうか。
    答:
    會話文を理解するうえで大切なことは、場面や人間関係です。まず(1)と(2)の會話が成立した背景について考えてみましょう。周明と丁恵は同じ高校の1年生で、名前はお互いに聞いていましたが、話すのはこの時が初めてです。小川は日本からの留學生で、周明と丁恵より年上です。
    會話(1)では、周明と丁恵はどちらも「どうぞよろしく」という言い方で、ていねいさを少し抑えています。「よろしくお願いします」とした場合、よそよそしい感じになり、自然さに欠けます。ですから、會話(1)の「どうぞよろしく」には、周明と丁恵の「同級生」という親しみも込められています。「お願いします」を省略した形ではありません。
    會話(2)の「どうぞよろしくお願いします」は、會話(1)の「どうぞよろしく」と比べるとていねい度が高いです。丁恵が年上の小川にていねいな言葉づかいをするのは當然ですが、小川も年下の丁恵にていねいな言い方をしています。小川にとって、丁恵ははじめて會った人で、あまり親しくない、自國の人ではない「ソト」の人間だ、という意識なども働いています。