関西弁講座 01-10

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第1回  「ちゃう」
    辭書には「〔連語〕(助詞「て」に動詞「しまう」の付いた「てしまう」が「ちまう」を経て変化したもの)東京方言などのくだけた言い方。動作の完了、実現(xiàn)する意を表す?!感肖盲沥悚Α埂竵恧沥悚盲俊埂Z大辭典(新裝版)小學(xué)館 1988」
    と載っていますが、もちろんここで言う「ちゃう」は「違う」の「ちゃう」です。
    強(qiáng)めて言うときには「ちゃうちゃう」と重ねて言いますが、それほど強(qiáng)い否定の意味はありません。
    「例」
    「ちゃうちゃう。それはちゃうんちゃう?」
    共通語では「違うのと違いますか」とはあまり言いませんね。
    普通は「違うんじゃないですか」と言うようですが、関西弁で「ちゃうやないですか」というとかなり強(qiáng)い否定に聞こえます。
    「ちゃうんちゃいますか」というのが普通の言い方ですね。
    [NextPage]第2回  「あかん」
    辭書には「〔連語〕(「らち(埒)があかぬ」の上を略した表現(xiàn)「あかぬ」から)物事がうまくいかない。効果がない。むだである。だめである。あかぬ。*浄?祇園祭禮信仰記‐四「あかんあかん、何ぼいうても次風(fēng)呂はならぬ」 國語大辭典(新裝版)小學(xué)館 1988」
    と載っています。
    「だめだ」と言われると何もかも全て否定されているようなニュアンスがありますが、「あかん」と言う言葉には何か余裕さえ感じられます。
    「例」
    「あかんあかん。そんなことしたらあかんやろ」
    「あかんたれ」と言う言葉があります。共通語では「駄目な奴」とか「弱蟲」ぐらいに相當(dāng)しますが、もうすこし軽い意味合いで使います。
    実際「駄目な奴」と面と向かって言われるともう立ち直れませんが、「あかんたれ」と言われても「わしもあかんたれやけど、おまえも貧乏たれやんか」ぐらいは言い返せます。
    [NextPage]第3回  「いらち」
    辭書には「(形動)(動詞「いらつ」の名詞化)落ち著きがなく、あわただしいこと。せっかち。また、そういう人。*???本朝二十不孝‐五「早急(イラチ)の久左衛(wèi)門」 國語大辭典(新裝版)小學(xué)館 1988」
    と載っています。
    せかせかして、一つのことを落ちついてできない人のことですね。大阪人は世界一歩く速度が速いのだそうです?!袱い椁痢工妊预Δ韦洗筅嫒耍ǘ喾稚駪跞摔猓─涡愿瘠虮恧寡匀~かもしれません。
    「例」
    「ちょっと待ちぃな。いらちなやっちゃなぁ」
    私もかなり「いらち」な性格だと思います。たとえばカップラーメンを食べるときお湯を入れて3分待つことができません。30秒ぐらいでもう我慢ができず食べ始めてしまいます。別に餓えているというわけではないのですがおとなしくじっと待っているという行為ができないのです。
    カップ麺は固くてバリバリしているほうが美味しいのだと自分に言い聞かせています。
    [NextPage]第4回  「ほんま」
    辭書には「(形動)本當(dāng)であること。真実.*?。吭摯笃接洨\五「馴染を重ぬるにつけては、本間(ホンマ)の心中をたて」 國語大辭典(新裝版)小學(xué)館 1988」
    と載っています。
    「ほんま」と言う言葉が口癖になっている人もいるほど、関西ではよく聞く言葉です。
    昔「ボインの歌」で一斉を風(fēng)靡した月亭可朝が「ほんまにほんま、いやほんまでっせ」などとよくこの言葉を使っていました。
    「例」
    「えー.ほんまかいなぁ」
    「うっそー」と言われると何かすべて否定されているような感じがしますので、私は「ほんまー」と言う言葉のほうが好きですが、関西では「うっそー」のあとにわざわざ丁寧に「ほんまー」も付けて言うひとがいます。
    「うっそー、ほんまー」
    ちなみに「うっそー」は関西弁では「そ」にアクセントが來ます。
    [NextPage]第5回  「ど」
    辭書には「〔接頭〕1 名詞?形容詞?形容動詞、時には動詞の上にも付いて、ののしる気持をこめる。近世以來の上方の俗語で、現(xiàn)在も関西方面を主として用いられている?!袱筛浴埂袱嗓筏证趣ぁ埂袱嗓ⅳ膜蓼筏ぁ工胜?。どう。
    2 名詞や形容詞の上に付いて、まさにそれに相當(dāng)する意であることを強(qiáng)調(diào)する俗語.「ど真ん中」「どぎつい」など?!Z大辭典(新裝版)小學(xué)館 1988」
    と載っています。
    「ど真ん中」のことを東京弁では本來「まん真ん中」と言うそうですが、今では「ど真ん中」と言うほうが一般的なようです。
    「例」
    「?行くが~、男の~、ど根性」(テレビアニメ「巨人の星」の主題歌から)
    この「ど」は喧嘩をするときに罵倒する言葉として非常に便利な接頭語です。
    「このどあほ。どたま(頭)かち割るぞ」
    東京弁で「このバカ。頭割るぞ」と言われても全然迫力がなく、怖くもなんともありません。
    喧嘩には関西弁が有利だと思いますが、広島弁なんかもちょっと怖いですね。
    [NextPage]第6回  「いちびる」
    辭書には「〔自ラ四〕できもしないのに、りきんでする。また、調(diào)子にのってふざける。*隨?癇癖談‐上「むかし人はかくいちびりたるわれがしこをなん力みあひける  國語大辭典(新裝版)小學(xué)館 1988」
    と載っています。
    調(diào)子にのってふざけるというよりも調(diào)子にのってはしゃぐと言ったほうが近いかも知れません。
    「例」
    「おまえ何いちびってんねん」
    名詞は「いちびり」です?!袱印工衰ⅴ互螗趣瑏恧蓼埂?BR>    関西人には「いちびり」が多いような気がします。大人の場合は一種のサービス精神でしょうが、子どもの「いちびり」は天性のものでしょうか。それとも関西人の子どもは小さい頃からサービス精神が旺盛なのでしょうか。
    多分、吉本新喜劇の影響なども大きいのではないかと思われます。
    [NextPage]
    第7回  「しょぉもない」
    辭書には「(「しよう」が「しょう」と発音され、「性」の字を當(dāng)てることもある) 1 たわいもない。ばかばかしい。わけもない。*浄?妹背山婦女庭訓(xùn)‐二「性(シャウ)もない子供のいふ事、取り上げて下さりますな」
    2 つまらない。くだらない。  國語大辭典(新裝版)小學(xué)館 1988」
    と載っています。
    「しょぉむない」と発音されることもあるようです。私は「しょぉもない」と発音します。アクセントは「も」にあります。
    「例」
    「何しょぉもないこと言うてんねん」
    「しょぉもない」ことばかりする人を「しょぉもないことしい」と言います。
    私の場合、最初から「しょぉもない」ことをしてやろうというつもりは全くなく、どういう訳か結(jié)果的に「しょぉもないこと」になってしまうのですが、「しょぉもないことしい」と言われても仕方がないのかもしれません。
    [NextPage]第8回  「どない」
    辭書には「〔形動〕(「どないな」の形で連體詞的に、「どないに」また単獨の形で副詞的に用いられる)どのよう。どんな。*滑?浮世風(fēng)呂‐二「上の鰻(うなぎ)といふたらまあ、どないなもんぢゃい」  國語大辭典(新裝版)小學(xué)館 1988」
    と載っています。
    よく使われるのは「どないしょー」(どうしよう)とか「どないしたん?」(どうしたの?)です。
    「例」
    「どないしたん?」「どないもこないもあらへん」
    年配の人は「どないなとせぇ」とか「どないぞならへんか」とかよく言いますが、若者はあまりこう言う言い方はしません。
    「どないでもせぇ」とか「どないかならへんか」という言い方をするようです。
    「どないやっちゅーねん」(いったいどうしたというのだ)とか「どないせぇゆーねん」(どうしろというのだ)いう言い方もよく使われます。
    [NextPage]第9回  「ぎょぉさん」
    辭書には「Ⅰ  〔形動〕1 程度、數(shù)量のはなはだしいさま。*虎明本狂言?鍋八撥「ぎゃうさんなたかごゑしていふによって」*?。咳藗愻樾缉\妾狂「澆山に見事な奧様や內(nèi)方をもたれても」
    2 行為や言葉などの大げさなさま。誇大。*日葡辭書「Guianni(ギョウサンニ)ユウ」*雑俳?川傍柳‐五「ぎゃうさんなものは傾城の他出なり」
    Ⅱ  〔副〕はなはだしく。はなはだ多く。*咄?軽口曲手鞠‐二「ぎゃうさんふるき下帯」  國語大辭典(新裝版)小學(xué)館 1988」
    と載っています。
     「よーさん」と言う人もいます。この「國語大辭典(新裝版)」というヤツは、簡単なことをよけいに難しく説明しているような気がしますが、要するに「たくさん」とか「いっぱい」ということです。
    「例」
    「ぎょぉさんあるやん」
    「ぎょぉさん」は「たくさん」に置きかえられますが、「たくさん」は「ぎょぉさん」に置きかえられない場合があります。
    充分だという意味で「もうたくさんだ」と言いますが「もうぎょぉさんや」とは言いません。
    [NextPage]第10回  「なんぼ」
    辭書には「〔副〕(「なんぼう」の変化)
    1 程度の限定しがたいさま、また不明、不定なさまを表す。どれほどか。どの程度か。なんぼう。「お代はなんぼですか」*俳?玉海集‐付句「鶯もなんほ寐ぐらやたづぬらん」
    2 程度がはなはだしくて、限定しがたいさまを表す。ずいぶん。いくらでも。なんぼう?!袱胜螭埭扦庋预盲皮浃搿埂袱胜螭芘Δ筏皮夂细瘠筏胜ぁ梗??好色一代女‐六「なんぼの調(diào)謔(たはぶれ)にも身をなれしが」
    3 普通には認(rèn)められないものが特に認(rèn)められると許容?譲歩する気持を表し、それでもこの場合には認(rèn)めるわけにはいかないという判斷を?qū)Г?。いくら(?でも)。なんぼう?!袱胜螭苡Hの頼みでもこれだけは駄目だ」*談?教訓(xùn)萬病回春‐一「美酒も醤油徳利に入おいては日ましに味のそこねるごとく、なんぼ漢魏の意味はよくても」
    國語大辭典(新裝版)小學(xué)館 1988」
    と載っています。
    これまた難しい説明ですが、普通「なんぼ?」と言うと、「値段はいくらですか?」ということです。
    「例」
    「おばちゃん、これなんぼ?」
    最近気づいたのですが、私の場合値段が安いとき、例えば八百屋のおっさんに大根の値段を聞くようなときは「これなんぼ?」と聞きますが、少々値段の張る物の値段を聞くとき、例えば電器屋で家電製品を買うようなときは「これいくら?」と聞くような傾向があります。
    東京弁の感染が著しい私に限ってのことなのか、あるいは関西人一般にそういう傾向があるのか、不明です。