本課課文
植物には、それぞれ固有のにおいがある。中でも、ワサビ、大蒜、韮、シソ、レモンなどは、特に強いにおいを持っている。いろいろな生物の本を調(diào)べてみると、植物のにおいの中で、花の香りについては,[昆蟲を呼び寄せて、花粉をおしべからめしべに運ばせるのに役立つ」と説明されている。しかし、葉や莖、根や実から出るにおいの役割については、ほどんど書かれてはいない。植物が體から出すにおいには、どんな働きがあるのだろうか。そのことを確かめるために、次のような実験をしてみた。
まず、二つの管瓶を用意し、一方の管瓶には、食パンだけを入れて密封した。もう一方の管瓶には、食パンとともに、少量のワサビ(2グラム)を入れて密封した。そして、摂氏25度の部屋の中で観察を続けた。すると、何も入れていない管瓶の中の食パンには、三日目ごろから、いろいろな色のかびが生えてきたが、ワサビを入れた管瓶の中の食パンには、十日たっても二十日たっても、かびが生えなかった。
ワサビの代わりに、同量の大蒜のおろしたのや2、3ミリメートルの大きさに刻んだ韮の葉を使ってみたが、やはりかびは生えなかった。
次に、3本のガラスシリンダー(500ミリリットル)の底に、それぞれ、おろしワサビ、おろし大蒜、レモンの皮の切片を置き、その上に網(wǎng)を敷いてから、ミツバチを入れてみた。ふたをして行動を観察すると、植物を置かないときは、2時間たっても元気に飛んだりはい回ったりしていたミツバチが、おろしワサビ(5グラム)のシリンダーの中では、一分後にはもう飛ぶ力を失って網(wǎng)の上に落ち、2分後にはひっくり返って動かなくなった。同量の大蒜の場合は5分、レモンの皮の場合は14、5分後に、ミツバチが完全に動く力を失った。
これらの実験結(jié)果から見ると、カビの繁殖を抑えたり、ミツバチの運動能力を失わせたりしている原因は、植物のにおいにありそうだ。
だが、ほかにも原因が考えられる。それは、植物の切片が呼吸をしているため、シリンダーの中の酸素が不足するのではないかと言うことである。このことを調(diào)べるため、植物を入れたシリンダー內(nèi)の網(wǎng)の上に、脫臭作用を持つ活性炭をガーゼに包んで載せておいた。すると、ミツバチは、植物を入れないときと同じように、いつまでも元気に動いていた。これで、ミツバチが動けなくなった原因は酸素の不足ではなく、植物のにおいにあることがはっきりした。また、かびの繁殖についても同じことが確かめられた。
その後、これらの植物のにおいは、他の小さな動物たち、例えばハエ、ゴキブリ、イモリ、ネズミなどにも、影響を與えることが確かめられた。また、シソ、大根、玉蔥、杉などのにおいも、カビの繁殖を抑えたり、小動物を弱らせたりする作用を持つことが分かった。
さらに、植物のにおいは、他の植物の成長にも影響を與えることがわかってきた。発芽したばかりのモヤシマメを、玉蔥や大蒜のにおいのするところに置くと、まっすぐ伸びなくなったり、生長が止まったりした。また、生長中のツバキの花粉に、玉蔥のにおいを當てると、生長が完全に止まった後、花粉管の先端が風船のように膨れてきた。これは、ちょうど花粉が大量の放射線を浴びたときの狀態(tài)とよく似ていた。
植物は、太陽の光を用いて、自分でデンプンなどの栄養(yǎng)分を合成しているので、動物のように他の生物を食べる必要はない。しかし、自分の體を食べに來る動物からは身を守る必要がある。植物を食べに來た動物は、その植物の周りに自分の害になるようなにおいが立ち込めていると、敬遠して逃げ出すだろう。無理に植物の體を食いついたりすると、強いにおいの作用で動けなくなってしまう。また、枝が折れたり葉がちぎれたりしたとき、においは、傷口から侵入しようとする細菌類を撃退する役割を果たす。さらに、その植物の生長するために、周りに生える他の植物が繁殖するのを抑えるのにも役立つ。植物のにおいは、彼らが進化の過程で身につけた、自衛(wèi)のための武器の一種だったのである。
このような作用を持つ植物のにおいを、人間の病気の治療や予防、食品の保存に活用できないだろうか。しかし、そう考えるまでもなく、人間は昔から、においを生活の中で利用してきた。ゆず湯や菖蒲湯は、體に良いと言い伝えられている。笹餅、粽、桜餅などは、においを食品の保存に利用した例であろう。また、刺身にワサビ、シソ、大根を添えるのも、風味を味わうとともに、植物のにおいを殺菌や防腐に役立ててきた、生活の知恵であると考えられる。
課文詞匯
詞匯Ⅰ
におい (2) [名] 氣味,香味
固有だ (こゆうだ) (0) [形動] 固有,特有
ワサビ (1) [名] 山崳菜
ニラ (0) [名] 韭菜
シソ (0) [名] 紫蘇
生物 (せいぶつ) (1) [名] 生物
かおり (0) [名] 香氣,香味
昆蟲 (こんちゅう) (0) [名] 昆蟲
呼び寄せる (よびよせる) (4) [動2] 召集來,請來
花粉 (かふん) (0) [名] 花粉
おしべ (1) [名] 雄蕊
めしべ (1) [名] 雌蕊
葉 (は) (1) [名] 葉
莖 (くき) (2) [名] 莖
根 (ね) (1) [名] 根
管瓶 (かんびん) (0) [名] 試管
食パン (しょくパン) (0) [名] 主食面包
密封する (みっぷうする) (0) [動3] 密封
少量 (しょうりょう) (3) [名] 少量
おろしワサビ (4) [名] 山崳菜泥
摂氏 (せっし) (1) [名] 攝氏
生える (はえる) (2) [動2] 生,長
同量 (どうりょう) (0) [名] 等量
おろす (2) [動1] 擦碎
刻む (きざむ) (0) [動1] 切細,剁碎
シリンダー (0) [名] 圓筒
ミリリットル (4) [名] 毫升
底 (そこ) (0) [名] 底部
おろしニンニク (4) [名] 大蒜泥
切片 (せっぺん) (0) [名] 切片,碎片
網(wǎng) (あみ) (2) [名] 網(wǎng)
ミツバチ (2) [名] 蜜蜂
ふた (0) [名] 蓋子
はい回る (はいまわる) (4) [動1] 來回爬
1分後 (いっぷんご) (0) [詞組] 一分鐘后
失う (うしなう) (0) [動1] 喪失,失去
ひっくり返る (ひっくりかえる) (5) [動2] 倒,翻倒
場合 (ばあい) (0) [名] 時候,場合
繁殖 (はんしょく) (0) [名] 繁殖
抑える (おさえる) (3) [動2] 抑制
能力 (のうりょく) (1) [名] 能力
呼吸 (こきゅう) (0) [名] 呼吸
シリンダー內(nèi) (シリンダーない) (5) [詞組] 圓筒內(nèi)
脫臭 (だっしゅう) (0) [名] 除臭
作用 (さよう) (1) [名] 作用
活性炭 (かっせいたん) (0) [名] 活性炭
ガーゼ (1) [名] 紗布
包む (つつむ) (2) [動1] 包,裹
ハエ (0) [名] 蠅,蒼蠅
ゴキブリ (0) [名] 蟑螂
イモリ (1) [名] 蠑螈
スギ (0) [名] 杉,柳杉
小動物 (しょうどうぶつ) (3) [名] 小動物
成長 (せいちょう) (0) [名] 生長
発芽する (はつがする) (0) [動3] 發(fā)芽
モヤシマメ (3) [名] 豆芽
ツバキ (1) [名] 山茶
當てる (あてる) (0) [動2] 貼近,安,放
花粉管 (かふんかん) (0) [名] 花粉管
風船 (ふうせん) (0) [名] 氣球
膨れる (ふくれる) (0) [動2] 膨脹,腫
大量 (たいりょう) (0) [名] 大量
放射線 (ほうしゃせん) (0) [名] 放射線
浴びる (あびる) (0) [動2] 照,澆,淋
狀態(tài) (じょうたい) (0) [名] 狀態(tài)
デンプン (0) [名] 淀粉
栄養(yǎng)分 (えいようぶん) (3) [名] 營養(yǎng)成分
合成する (ごうせいする) (0) [動3] 合成
周り (まわり) (0) [名] 周圍
害 (がい) (1) [名] 有害
立ちこめる (たちこめる) (4) [動2] 籠罩,彌漫
敬遠する (けいえんする) (0) [動3] 敬而遠之,(有意)回避
食いつく (くいつく) (3) [動1] 咬住,咬上
枝 (えだ) (0) [名] 枝,樹枝
折れる (おれる) (2) [動2] 折斷
傷口 (きずぐち) (0) [名] 傷口
侵入する (しんにゅうする) (0) [動3] 侵入
細菌 (さいきん) (0) [名] 細菌
撃退する (げきたいする) (0) [動3] 打退,逐出
進化 (しんか) (1) [名] 進化
過程 (かてい) (0) [名] 過程
自衛(wèi) (じえい) (0) [名] 自衛(wèi)
武器 (ぶき) (1) [名] 武器
一種 (いっしゅ) (1) [名] 一種
治療 (ちりょう) (0) [名] 治療
予防 (よぼう) (0) [名] 預防
ゆず湯 (ゆずゆ) (2) [名] 柚子浴
しょうぶ湯 (しょうぶゆ) (3) [名] 菖蒲浴
言い伝える (いいつたえる) (5) [動2] 傳說,傳達
笹餅 (ささもち) (2) [名] 竹葉年糕
ちまき (0) (1) [名] 粽子
桜餅 (さくらもち) (3) [名] 櫻葉年糕
刺し身 (さしみ) (3) [名] 生魚片
風味 (ふうみ) (3) [名] 味道,風味
殺菌 (さっきん) (0) [名] 消毒,殺菌
防腐 (ぼうふ) (0) [名] 防腐
知恵 (ちえ) (2) [名] 智慧
コルク (1) [名] 軟木
巖波洋造 (いわなみようぞう) (2)+(0) [專] 巖波洋造
~後 (ご) 原因は~にある (げんいんは~にある)
~內(nèi) (ない) …からみると,… それは…ということである
…までもなく,…
詞匯Ⅱ
足跡 (あしあと) (3) [名] 足跡
経過 (けいか) (0) [名] 經(jīng)過
退院する (たいいんする) (0) [動3] 出院
睡眠 (すいみん) (0) [名] 睡眠
肥満 (ひまん) (0) [名] 肥胖
防ぐ (ふせぐ) (2) [動1] 防止,預防
秘密 (ひみつ) (0) [名] 秘密
ないしょ (0) [名] 瞞著別人
被害者 (ひがいしゃ) (2) [名] 受害者
規(guī)則 (きそく) (2) [名] 規(guī)則
理想 (りそう) (0) [名] 理想
築く (きずく) (2) [動1] 建立,構(gòu)筑
値上がり (ねあがり) (0) [名] 價格上漲,漲價
値上げ (ねあげ) (0) [名] 提高價格,提價
雑巾 (ぞうきん) (0) [名] 抹布
焦げる (こげる) (2) [動2] 燒焦,燒糊
ベッド (1) [名] 床
霧 (きり) (0) [名] 霧
松茸 (まつたけ) (0) [名] 松菌,松菇
格別だ (かくべつだ) (0) [形動] 格外,特別
幹 (みき) (1) [名] 樹干
芽 (め) (1) [名] 芽
つぼみ (3) [名] 花蕾
花びら (はなびら) (3) [名] 花瓣兒
分布する (ぶんぷする) (0) [動3] 分布
課程譯文
第 26 課 植物的氣味
巖波洋造
植物各有其固有的氣味,尤其是山萮菜、大蒜、韭菜、紫蘇、檸檬等具有較強的氣味。查閱一下各種生物方面的書籍,植物的氣味中,關(guān)于花的芳香,被解釋為"起著招引昆蟲、將花粉從雄蕊傳播到雌蕊的作用。"但對葉、莖、根或果實散發(fā)出來的氣味,幾乎都不曾提到。植物體內(nèi)發(fā)出的氣味起什么作用呢?為了弄清楚這一點,做了以下實驗。
首先準備兩個試管,一個試管里只放入主食面包后密封。另一個試管里和主食面包一起放入少量(2克)擦碎的山萮菜后密封。然后在攝氏25度的房間里持續(xù)觀察。于是,沒加入任何其他東西的試管中的主食面包上,第三天開始長出五顏六色的霉菌;加入山萮菜的試管中的主食面包上,盡管過了十天、二十天也沒有發(fā)霉。
試把山萮菜換成等量擦碎的大蒜或切成二、三毫米大小的韭菜,仍然不發(fā)霉。
進而在三個玻璃缸(500毫升)的底部各自放人擦碎的山萮菜、大蒜和切成片的檸檬皮,覆上網(wǎng)架,然后放入蜜蜂。蓋上蓋兒觀察它的行動,不放植物的時候,過兩個小時仍舊起勁地來回飛、來回爬的蜜蜂,在放入擦碎的山萮菜(5克)的缸中,一分鐘后就已經(jīng)失去飛行的能力掉在網(wǎng)上,兩分鐘后則仰面朝天不再動了。放入同量的大蒜是五分鐘,放了檸檬皮的是十四、五分鐘后,蜜蜂完全喪失了活動能力。從這些實驗結(jié)果來看,抑制霉菌的繁殖或使蜜蜂喪失運動能力的原因似乎在于植物的氣味。
但是,還可以設想其他原因。比如說由于植物切片的呼吸,缸中的氧氣不是就不足了嗎。為了核實這一點,在裝有植物的缸內(nèi)的網(wǎng)架上,放人用紗布包囊的具有除臭作用的活性炭。結(jié)果,蜜蜂象沒放植物的時候一樣,總是活躍地爬動。這說明蜜蜂不能動的原因不是由于氧氣不足,而是植物的氣味。另外,關(guān)于霉菌繁殖也得到同樣的征實。
其后又搞清了這些植物的氣味對果蠅、蟑螂、蠑螈、老鼠等其它小動物都有較強的影響。另外,還了解到紫蘇、蘿卜、蔥頭、柳杉等的氣味,也具有抑制霉菌繁殖、削弱小動物活動能力的作用。
再進一步,還明白了植物的氣味對其它植物的生長也有影響。將剛剛發(fā)芽的豆芽置于散發(fā)著蔥頭、大蒜氣味的地方就長不直,或停止生長。向生長中的山茶花粉散發(fā)蔥頭的氣味時,其生長完全停止以后,花粉管前端就象氣球似地膨脹起來。這和花粉受到大量放射線照射時的狀態(tài)非常相似。
由于植物是利用陽光自己合成淀粉等營養(yǎng)成分,所以不必像動物那樣吃其他生物。但是有必要防備來吃自己枝體的動物。來吃植物的動物如果察覺那個植物周圍彌漫著對自己有害的氣味,。就會敬而遠之,逃之夭夭吧。如果硬咬住植物的枝體,就會由于強烈氣味的作用而動彈不得。另外,當技莖折斷或葉片破碎的時候,氣味還發(fā)揮抵御侵入傷口的細菌類的作用。進而氣味還起著為了本植物生長而抑制周圍其它植物生長的作用。植物的氣味是在它門進化過程中具備的、用于自衛(wèi)的一種武器。
植物具有的這種氣味能不能用于人類疾病的治療和預防以及食品的保存呢?不僅這樣想過,人類自古以來就在生活中利用氣味。傳說柚子浴、菖蒲浴對身體有好處。竹葉年糕、棕子、櫻葉年糕等則是利用氣味保存食品的例子。還有生魚片添加山萮菜、紫蘇、籮卜,也是在品嘗風味的同時,利用植物的氣味發(fā)揮殺菌防腐作用,可以看作是生活的智慧。
課文語法
文法:
1、…からみると、…
歩き方からみると、山田さんはかなり疲れているみたいだ。
町並みからみると、ここは歴史のある町らしい。
2、原因は~にある
母の肥満の原因は、食べ過ぎにある。
彼の成功の原因は、たくさんの本を読んだことにある。
3、それは…ということである
僕は君に質(zhì)問があります。それは何故進學したいと言うことである。
私には理想があります。それは平和な世界を築くと言うことである。
言葉の使用の仕方:
1、 中でも:私は語學が得意だが、中でも英語には自信がある。
2、 ワサビ/シソ:(ワサビ是日本原產(chǎn)物,有強烈的辛辣味。シソ是中國原產(chǎn)物,主要用于給菜肴增添芳香味道)
3、 大蒜のおそしたの(=おろした大蒜):
雑巾にするならタオルの古くなったのがいい。
==>雑巾にするなら古くなったタオルがいい。
4、 ひっくり返る:風でテーブルの上の花瓶がひっくり返った。
5、 立ち込める:川の近くはよく霧が立ち込める。
6、 敬遠する:彼はすぐ怒るので、みんなに敬遠されている。
7、 ゆず湯/菖蒲湯:(在日本冬至的那天<12月22日前后>,有把柚子切碎放入浴缸的古老風俗。稱為ゆず湯。在端午節(jié)<5月5日>燒洗澡水時放入菖蒲的根和葉,叫作菖蒲湯)
8、 笹餅/粽/桜餅:(都是傳統(tǒng)的日本點心。笹餅是用竹葉將糯米及其他材料包好后蒸煮成的食品。粽則與中國的粽子相同。桜餅是用鹽漬過的櫻花葉子包裹上甜豆餡的粘餅作成的食品)
9、 風味:この松茸の風味は格別だ。
10、 植物について言葉:根、莖、葉、幹、枝、種、芽、実、蕾、花、花びら、花粉、おしべ、めしべ、発芽(する)、繁殖(する)、分布(する)、栽培(する)
植物には、それぞれ固有のにおいがある。中でも、ワサビ、大蒜、韮、シソ、レモンなどは、特に強いにおいを持っている。いろいろな生物の本を調(diào)べてみると、植物のにおいの中で、花の香りについては,[昆蟲を呼び寄せて、花粉をおしべからめしべに運ばせるのに役立つ」と説明されている。しかし、葉や莖、根や実から出るにおいの役割については、ほどんど書かれてはいない。植物が體から出すにおいには、どんな働きがあるのだろうか。そのことを確かめるために、次のような実験をしてみた。
まず、二つの管瓶を用意し、一方の管瓶には、食パンだけを入れて密封した。もう一方の管瓶には、食パンとともに、少量のワサビ(2グラム)を入れて密封した。そして、摂氏25度の部屋の中で観察を続けた。すると、何も入れていない管瓶の中の食パンには、三日目ごろから、いろいろな色のかびが生えてきたが、ワサビを入れた管瓶の中の食パンには、十日たっても二十日たっても、かびが生えなかった。
ワサビの代わりに、同量の大蒜のおろしたのや2、3ミリメートルの大きさに刻んだ韮の葉を使ってみたが、やはりかびは生えなかった。
次に、3本のガラスシリンダー(500ミリリットル)の底に、それぞれ、おろしワサビ、おろし大蒜、レモンの皮の切片を置き、その上に網(wǎng)を敷いてから、ミツバチを入れてみた。ふたをして行動を観察すると、植物を置かないときは、2時間たっても元気に飛んだりはい回ったりしていたミツバチが、おろしワサビ(5グラム)のシリンダーの中では、一分後にはもう飛ぶ力を失って網(wǎng)の上に落ち、2分後にはひっくり返って動かなくなった。同量の大蒜の場合は5分、レモンの皮の場合は14、5分後に、ミツバチが完全に動く力を失った。
これらの実験結(jié)果から見ると、カビの繁殖を抑えたり、ミツバチの運動能力を失わせたりしている原因は、植物のにおいにありそうだ。
だが、ほかにも原因が考えられる。それは、植物の切片が呼吸をしているため、シリンダーの中の酸素が不足するのではないかと言うことである。このことを調(diào)べるため、植物を入れたシリンダー內(nèi)の網(wǎng)の上に、脫臭作用を持つ活性炭をガーゼに包んで載せておいた。すると、ミツバチは、植物を入れないときと同じように、いつまでも元気に動いていた。これで、ミツバチが動けなくなった原因は酸素の不足ではなく、植物のにおいにあることがはっきりした。また、かびの繁殖についても同じことが確かめられた。
その後、これらの植物のにおいは、他の小さな動物たち、例えばハエ、ゴキブリ、イモリ、ネズミなどにも、影響を與えることが確かめられた。また、シソ、大根、玉蔥、杉などのにおいも、カビの繁殖を抑えたり、小動物を弱らせたりする作用を持つことが分かった。
さらに、植物のにおいは、他の植物の成長にも影響を與えることがわかってきた。発芽したばかりのモヤシマメを、玉蔥や大蒜のにおいのするところに置くと、まっすぐ伸びなくなったり、生長が止まったりした。また、生長中のツバキの花粉に、玉蔥のにおいを當てると、生長が完全に止まった後、花粉管の先端が風船のように膨れてきた。これは、ちょうど花粉が大量の放射線を浴びたときの狀態(tài)とよく似ていた。
植物は、太陽の光を用いて、自分でデンプンなどの栄養(yǎng)分を合成しているので、動物のように他の生物を食べる必要はない。しかし、自分の體を食べに來る動物からは身を守る必要がある。植物を食べに來た動物は、その植物の周りに自分の害になるようなにおいが立ち込めていると、敬遠して逃げ出すだろう。無理に植物の體を食いついたりすると、強いにおいの作用で動けなくなってしまう。また、枝が折れたり葉がちぎれたりしたとき、においは、傷口から侵入しようとする細菌類を撃退する役割を果たす。さらに、その植物の生長するために、周りに生える他の植物が繁殖するのを抑えるのにも役立つ。植物のにおいは、彼らが進化の過程で身につけた、自衛(wèi)のための武器の一種だったのである。
このような作用を持つ植物のにおいを、人間の病気の治療や予防、食品の保存に活用できないだろうか。しかし、そう考えるまでもなく、人間は昔から、においを生活の中で利用してきた。ゆず湯や菖蒲湯は、體に良いと言い伝えられている。笹餅、粽、桜餅などは、においを食品の保存に利用した例であろう。また、刺身にワサビ、シソ、大根を添えるのも、風味を味わうとともに、植物のにおいを殺菌や防腐に役立ててきた、生活の知恵であると考えられる。
課文詞匯
詞匯Ⅰ
におい (2) [名] 氣味,香味
固有だ (こゆうだ) (0) [形動] 固有,特有
ワサビ (1) [名] 山崳菜
ニラ (0) [名] 韭菜
シソ (0) [名] 紫蘇
生物 (せいぶつ) (1) [名] 生物
かおり (0) [名] 香氣,香味
昆蟲 (こんちゅう) (0) [名] 昆蟲
呼び寄せる (よびよせる) (4) [動2] 召集來,請來
花粉 (かふん) (0) [名] 花粉
おしべ (1) [名] 雄蕊
めしべ (1) [名] 雌蕊
葉 (は) (1) [名] 葉
莖 (くき) (2) [名] 莖
根 (ね) (1) [名] 根
管瓶 (かんびん) (0) [名] 試管
食パン (しょくパン) (0) [名] 主食面包
密封する (みっぷうする) (0) [動3] 密封
少量 (しょうりょう) (3) [名] 少量
おろしワサビ (4) [名] 山崳菜泥
摂氏 (せっし) (1) [名] 攝氏
生える (はえる) (2) [動2] 生,長
同量 (どうりょう) (0) [名] 等量
おろす (2) [動1] 擦碎
刻む (きざむ) (0) [動1] 切細,剁碎
シリンダー (0) [名] 圓筒
ミリリットル (4) [名] 毫升
底 (そこ) (0) [名] 底部
おろしニンニク (4) [名] 大蒜泥
切片 (せっぺん) (0) [名] 切片,碎片
網(wǎng) (あみ) (2) [名] 網(wǎng)
ミツバチ (2) [名] 蜜蜂
ふた (0) [名] 蓋子
はい回る (はいまわる) (4) [動1] 來回爬
1分後 (いっぷんご) (0) [詞組] 一分鐘后
失う (うしなう) (0) [動1] 喪失,失去
ひっくり返る (ひっくりかえる) (5) [動2] 倒,翻倒
場合 (ばあい) (0) [名] 時候,場合
繁殖 (はんしょく) (0) [名] 繁殖
抑える (おさえる) (3) [動2] 抑制
能力 (のうりょく) (1) [名] 能力
呼吸 (こきゅう) (0) [名] 呼吸
シリンダー內(nèi) (シリンダーない) (5) [詞組] 圓筒內(nèi)
脫臭 (だっしゅう) (0) [名] 除臭
作用 (さよう) (1) [名] 作用
活性炭 (かっせいたん) (0) [名] 活性炭
ガーゼ (1) [名] 紗布
包む (つつむ) (2) [動1] 包,裹
ハエ (0) [名] 蠅,蒼蠅
ゴキブリ (0) [名] 蟑螂
イモリ (1) [名] 蠑螈
スギ (0) [名] 杉,柳杉
小動物 (しょうどうぶつ) (3) [名] 小動物
成長 (せいちょう) (0) [名] 生長
発芽する (はつがする) (0) [動3] 發(fā)芽
モヤシマメ (3) [名] 豆芽
ツバキ (1) [名] 山茶
當てる (あてる) (0) [動2] 貼近,安,放
花粉管 (かふんかん) (0) [名] 花粉管
風船 (ふうせん) (0) [名] 氣球
膨れる (ふくれる) (0) [動2] 膨脹,腫
大量 (たいりょう) (0) [名] 大量
放射線 (ほうしゃせん) (0) [名] 放射線
浴びる (あびる) (0) [動2] 照,澆,淋
狀態(tài) (じょうたい) (0) [名] 狀態(tài)
デンプン (0) [名] 淀粉
栄養(yǎng)分 (えいようぶん) (3) [名] 營養(yǎng)成分
合成する (ごうせいする) (0) [動3] 合成
周り (まわり) (0) [名] 周圍
害 (がい) (1) [名] 有害
立ちこめる (たちこめる) (4) [動2] 籠罩,彌漫
敬遠する (けいえんする) (0) [動3] 敬而遠之,(有意)回避
食いつく (くいつく) (3) [動1] 咬住,咬上
枝 (えだ) (0) [名] 枝,樹枝
折れる (おれる) (2) [動2] 折斷
傷口 (きずぐち) (0) [名] 傷口
侵入する (しんにゅうする) (0) [動3] 侵入
細菌 (さいきん) (0) [名] 細菌
撃退する (げきたいする) (0) [動3] 打退,逐出
進化 (しんか) (1) [名] 進化
過程 (かてい) (0) [名] 過程
自衛(wèi) (じえい) (0) [名] 自衛(wèi)
武器 (ぶき) (1) [名] 武器
一種 (いっしゅ) (1) [名] 一種
治療 (ちりょう) (0) [名] 治療
予防 (よぼう) (0) [名] 預防
ゆず湯 (ゆずゆ) (2) [名] 柚子浴
しょうぶ湯 (しょうぶゆ) (3) [名] 菖蒲浴
言い伝える (いいつたえる) (5) [動2] 傳說,傳達
笹餅 (ささもち) (2) [名] 竹葉年糕
ちまき (0) (1) [名] 粽子
桜餅 (さくらもち) (3) [名] 櫻葉年糕
刺し身 (さしみ) (3) [名] 生魚片
風味 (ふうみ) (3) [名] 味道,風味
殺菌 (さっきん) (0) [名] 消毒,殺菌
防腐 (ぼうふ) (0) [名] 防腐
知恵 (ちえ) (2) [名] 智慧
コルク (1) [名] 軟木
巖波洋造 (いわなみようぞう) (2)+(0) [專] 巖波洋造
~後 (ご) 原因は~にある (げんいんは~にある)
~內(nèi) (ない) …からみると,… それは…ということである
…までもなく,…
詞匯Ⅱ
足跡 (あしあと) (3) [名] 足跡
経過 (けいか) (0) [名] 經(jīng)過
退院する (たいいんする) (0) [動3] 出院
睡眠 (すいみん) (0) [名] 睡眠
肥満 (ひまん) (0) [名] 肥胖
防ぐ (ふせぐ) (2) [動1] 防止,預防
秘密 (ひみつ) (0) [名] 秘密
ないしょ (0) [名] 瞞著別人
被害者 (ひがいしゃ) (2) [名] 受害者
規(guī)則 (きそく) (2) [名] 規(guī)則
理想 (りそう) (0) [名] 理想
築く (きずく) (2) [動1] 建立,構(gòu)筑
値上がり (ねあがり) (0) [名] 價格上漲,漲價
値上げ (ねあげ) (0) [名] 提高價格,提價
雑巾 (ぞうきん) (0) [名] 抹布
焦げる (こげる) (2) [動2] 燒焦,燒糊
ベッド (1) [名] 床
霧 (きり) (0) [名] 霧
松茸 (まつたけ) (0) [名] 松菌,松菇
格別だ (かくべつだ) (0) [形動] 格外,特別
幹 (みき) (1) [名] 樹干
芽 (め) (1) [名] 芽
つぼみ (3) [名] 花蕾
花びら (はなびら) (3) [名] 花瓣兒
分布する (ぶんぷする) (0) [動3] 分布
課程譯文
第 26 課 植物的氣味
巖波洋造
植物各有其固有的氣味,尤其是山萮菜、大蒜、韭菜、紫蘇、檸檬等具有較強的氣味。查閱一下各種生物方面的書籍,植物的氣味中,關(guān)于花的芳香,被解釋為"起著招引昆蟲、將花粉從雄蕊傳播到雌蕊的作用。"但對葉、莖、根或果實散發(fā)出來的氣味,幾乎都不曾提到。植物體內(nèi)發(fā)出的氣味起什么作用呢?為了弄清楚這一點,做了以下實驗。
首先準備兩個試管,一個試管里只放入主食面包后密封。另一個試管里和主食面包一起放入少量(2克)擦碎的山萮菜后密封。然后在攝氏25度的房間里持續(xù)觀察。于是,沒加入任何其他東西的試管中的主食面包上,第三天開始長出五顏六色的霉菌;加入山萮菜的試管中的主食面包上,盡管過了十天、二十天也沒有發(fā)霉。
試把山萮菜換成等量擦碎的大蒜或切成二、三毫米大小的韭菜,仍然不發(fā)霉。
進而在三個玻璃缸(500毫升)的底部各自放人擦碎的山萮菜、大蒜和切成片的檸檬皮,覆上網(wǎng)架,然后放入蜜蜂。蓋上蓋兒觀察它的行動,不放植物的時候,過兩個小時仍舊起勁地來回飛、來回爬的蜜蜂,在放入擦碎的山萮菜(5克)的缸中,一分鐘后就已經(jīng)失去飛行的能力掉在網(wǎng)上,兩分鐘后則仰面朝天不再動了。放入同量的大蒜是五分鐘,放了檸檬皮的是十四、五分鐘后,蜜蜂完全喪失了活動能力。從這些實驗結(jié)果來看,抑制霉菌的繁殖或使蜜蜂喪失運動能力的原因似乎在于植物的氣味。
但是,還可以設想其他原因。比如說由于植物切片的呼吸,缸中的氧氣不是就不足了嗎。為了核實這一點,在裝有植物的缸內(nèi)的網(wǎng)架上,放人用紗布包囊的具有除臭作用的活性炭。結(jié)果,蜜蜂象沒放植物的時候一樣,總是活躍地爬動。這說明蜜蜂不能動的原因不是由于氧氣不足,而是植物的氣味。另外,關(guān)于霉菌繁殖也得到同樣的征實。
其后又搞清了這些植物的氣味對果蠅、蟑螂、蠑螈、老鼠等其它小動物都有較強的影響。另外,還了解到紫蘇、蘿卜、蔥頭、柳杉等的氣味,也具有抑制霉菌繁殖、削弱小動物活動能力的作用。
再進一步,還明白了植物的氣味對其它植物的生長也有影響。將剛剛發(fā)芽的豆芽置于散發(fā)著蔥頭、大蒜氣味的地方就長不直,或停止生長。向生長中的山茶花粉散發(fā)蔥頭的氣味時,其生長完全停止以后,花粉管前端就象氣球似地膨脹起來。這和花粉受到大量放射線照射時的狀態(tài)非常相似。
由于植物是利用陽光自己合成淀粉等營養(yǎng)成分,所以不必像動物那樣吃其他生物。但是有必要防備來吃自己枝體的動物。來吃植物的動物如果察覺那個植物周圍彌漫著對自己有害的氣味,。就會敬而遠之,逃之夭夭吧。如果硬咬住植物的枝體,就會由于強烈氣味的作用而動彈不得。另外,當技莖折斷或葉片破碎的時候,氣味還發(fā)揮抵御侵入傷口的細菌類的作用。進而氣味還起著為了本植物生長而抑制周圍其它植物生長的作用。植物的氣味是在它門進化過程中具備的、用于自衛(wèi)的一種武器。
植物具有的這種氣味能不能用于人類疾病的治療和預防以及食品的保存呢?不僅這樣想過,人類自古以來就在生活中利用氣味。傳說柚子浴、菖蒲浴對身體有好處。竹葉年糕、棕子、櫻葉年糕等則是利用氣味保存食品的例子。還有生魚片添加山萮菜、紫蘇、籮卜,也是在品嘗風味的同時,利用植物的氣味發(fā)揮殺菌防腐作用,可以看作是生活的智慧。
課文語法
文法:
1、…からみると、…
歩き方からみると、山田さんはかなり疲れているみたいだ。
町並みからみると、ここは歴史のある町らしい。
2、原因は~にある
母の肥満の原因は、食べ過ぎにある。
彼の成功の原因は、たくさんの本を読んだことにある。
3、それは…ということである
僕は君に質(zhì)問があります。それは何故進學したいと言うことである。
私には理想があります。それは平和な世界を築くと言うことである。
言葉の使用の仕方:
1、 中でも:私は語學が得意だが、中でも英語には自信がある。
2、 ワサビ/シソ:(ワサビ是日本原產(chǎn)物,有強烈的辛辣味。シソ是中國原產(chǎn)物,主要用于給菜肴增添芳香味道)
3、 大蒜のおそしたの(=おろした大蒜):
雑巾にするならタオルの古くなったのがいい。
==>雑巾にするなら古くなったタオルがいい。
4、 ひっくり返る:風でテーブルの上の花瓶がひっくり返った。
5、 立ち込める:川の近くはよく霧が立ち込める。
6、 敬遠する:彼はすぐ怒るので、みんなに敬遠されている。
7、 ゆず湯/菖蒲湯:(在日本冬至的那天<12月22日前后>,有把柚子切碎放入浴缸的古老風俗。稱為ゆず湯。在端午節(jié)<5月5日>燒洗澡水時放入菖蒲的根和葉,叫作菖蒲湯)
8、 笹餅/粽/桜餅:(都是傳統(tǒng)的日本點心。笹餅是用竹葉將糯米及其他材料包好后蒸煮成的食品。粽則與中國的粽子相同。桜餅是用鹽漬過的櫻花葉子包裹上甜豆餡的粘餅作成的食品)
9、 風味:この松茸の風味は格別だ。
10、 植物について言葉:根、莖、葉、幹、枝、種、芽、実、蕾、花、花びら、花粉、おしべ、めしべ、発芽(する)、繁殖(する)、分布(する)、栽培(する)

