私が某出版社の辭典編集員であったころ、読者の方から、「主になるものについていること。また、そのもの」の意を表す「ふぞく」は、「付屬」とも「附屬」とも書くが、どちらの漢字表記が適切かという質問を電話で受けたことがある。
一般には「付屬」でよく、新聞などでも多く「付屬」を用いている。(「大學に付屬する研究所」「付屬病院」。ただし、「〇〇大學附屬高等學?!工矫Qであるような場合は、その表記にならって「附屬高校」と書かれることが多い。)「附屬」は、法令??公用文などで使われる公式の表記である。
「付」と「附」の本來の意味は、「付」は「授ける。與える」(付與??交付)、「附」は「つける。つく」(附屬??附著)である。しかし、両者は古くから通じて用いられ、いずれの場合にも「付」で書かれることも多かった。そこで「當用漢字表」(1850字)(昭和21年、內閣告示)に入れる字を決める際、字形が複雑でない「付」だけを入れ、「附」は入れなくてもよいのではないかという考えも出された。ところが、世間の実情をみると、「附」の使用例も多く、憲法にも「附」が用いられている。そこで両者を入れることにした。その後、「當用漢字表補正資料」(昭和29年、國語審議會報告)が出されたが、それには「附」は削る字とされている。(當時、ゆくゆくは削ってもよいのではないかという判斷がくだされた字。あくまでも補正資料の報告にとどまり、正式に決められたものではない。)それにのっとって、報道関係などでは「付屬」を用いるようになり、「常用漢字表」公布後の今でも引き続き「付屬」を用いている?!赣浾撺膝螗丧芝氓⌒侣動米钟谜Z集」(第8版)(共同通信社、平成9年刊)にも、「ふぞく?。ǜ綄伲秾佟工趣ⅳ?。
法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社會生活において、現(xiàn)代の國語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すものとして、「常用漢字表」(1945字)は昭和56年(內閣告示)に公に示されたが、そこには、「付 フ(付與、交付、給付)、つける(付ける、名付け)??つく(付く、気付く)」「附 フ(附屬、寄附)」とあり、「當用漢字表」と同じく両者を掲げている。また、「文部省 用字用語例」(昭和56年)には、「ふ 附 附則、附屬、附帯、附置、寄附」「ふ 付 付記 付隨 付與 付録 交付 給付」と、「付」と「附」の熟語例がかなり多く挙がっている?!父綄佟工?、「常用漢字表」及び「文部省 用字用語例」にのっとった表記とも言える。
しかし、現(xiàn)在、小學校の各學年に配當されている「學年別漢字配當表(1006字)」(平成4年4月から施行)には「付」(4年に配當)しか示されておらず、小學校段階では、「ふぞく」は「付屬」(「屬」は5年に配當)と書くように指導される。中學になり、1006字以外の常用漢字も學ぶようになってはじめて、「附屬」という表記も認められていることを知るわけである。
一般には「付屬」でよく、新聞などでも多く「付屬」を用いている。(「大學に付屬する研究所」「付屬病院」。ただし、「〇〇大學附屬高等學?!工矫Qであるような場合は、その表記にならって「附屬高校」と書かれることが多い。)「附屬」は、法令??公用文などで使われる公式の表記である。
「付」と「附」の本來の意味は、「付」は「授ける。與える」(付與??交付)、「附」は「つける。つく」(附屬??附著)である。しかし、両者は古くから通じて用いられ、いずれの場合にも「付」で書かれることも多かった。そこで「當用漢字表」(1850字)(昭和21年、內閣告示)に入れる字を決める際、字形が複雑でない「付」だけを入れ、「附」は入れなくてもよいのではないかという考えも出された。ところが、世間の実情をみると、「附」の使用例も多く、憲法にも「附」が用いられている。そこで両者を入れることにした。その後、「當用漢字表補正資料」(昭和29年、國語審議會報告)が出されたが、それには「附」は削る字とされている。(當時、ゆくゆくは削ってもよいのではないかという判斷がくだされた字。あくまでも補正資料の報告にとどまり、正式に決められたものではない。)それにのっとって、報道関係などでは「付屬」を用いるようになり、「常用漢字表」公布後の今でも引き続き「付屬」を用いている?!赣浾撺膝螗丧芝氓⌒侣動米钟谜Z集」(第8版)(共同通信社、平成9年刊)にも、「ふぞく?。ǜ綄伲秾佟工趣ⅳ?。
法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など、一般の社會生活において、現(xiàn)代の國語を書き表す場合の漢字使用の目安を示すものとして、「常用漢字表」(1945字)は昭和56年(內閣告示)に公に示されたが、そこには、「付 フ(付與、交付、給付)、つける(付ける、名付け)??つく(付く、気付く)」「附 フ(附屬、寄附)」とあり、「當用漢字表」と同じく両者を掲げている。また、「文部省 用字用語例」(昭和56年)には、「ふ 附 附則、附屬、附帯、附置、寄附」「ふ 付 付記 付隨 付與 付録 交付 給付」と、「付」と「附」の熟語例がかなり多く挙がっている?!父綄佟工?、「常用漢字表」及び「文部省 用字用語例」にのっとった表記とも言える。
しかし、現(xiàn)在、小學校の各學年に配當されている「學年別漢字配當表(1006字)」(平成4年4月から施行)には「付」(4年に配當)しか示されておらず、小學校段階では、「ふぞく」は「付屬」(「屬」は5年に配當)と書くように指導される。中學になり、1006字以外の常用漢字も學ぶようになってはじめて、「附屬」という表記も認められていることを知るわけである。